マーケティングが止まったらSPARKLE 本について

壁 01 説明できないテーマ:試して読むテーマ:資料・Web・広告読む時間 約5分更新 2026年10月5日

一件あたりの費用(CPA)は、なぜ数え方で桁が変わるのか

三行で言うと
  1. 一件あたりの費用は、広告費を「一件と数えたものの数」で割った額。何を一件と数えるかで、同じ広告の同じ一年でも桁が変わる。
  2. 一つの数字になったとたん、それだけで決めたくなる。分母がぶれていないかを確かめ、一台あたりの利益と並べて読む。
  3. 広告の配信に「何を成果と教えるか」で、集まる人が変わる。成果を教えるのは、人の仕事。

1同じ広告、同じ一年

広告費が年に60万円だとします(数字は説明のための仮定)。

一件と数えるもの件数一件あたりの費用
資料請求120件5,000円
狙う相手からの引き合い6件10万円
見積もり3件20万円
契約1台60万円

同じ広告の、同じ一年です。 5,000円と60万円では、受ける印象がまるで違います。二行めでは、分母が「全部」から「狙う相手」に変わっていることにも気をつけます。

2一つの数字で決めない

一件あたりの費用で判断するのは、何を一件と数えるかがぶれていなければ、筋の通ったやり方です。ただ、数字が一つになったとたん、それだけで決めたくなります。

たとえば、契約一台あたり60万円。一台売れるごとに残るお金(限界利益)が90万円なら、「割に合う」とも読めます。一方で、年に一台では、たまたまかもしれず、「何も言えない」とも読めます。一件あたりの費用は、一台あたりの利益と並べ、件数の少なさも添えて読みます。 ほかの材料(どこで止まったか、相手の言葉)と一緒に、総合的に見る場面のほうが多いはずです。

3報告するときの三つの約束

  • 何を一件と数えたかを書く:「CPA 1万円」ではなく「資料請求一件あたり1万円」
  • 分母の範囲を書く:全社か、狙う相手だけか
  • 定義を変えたら、一行残す:前後を同じ成果として並べない

4広告の配信に、何を成果と教えるか

広告の運用を外の会社や自動の仕組みに任せていると、配信は、教えられた「成果」に向けて調整されます。

  • 資料請求を成果に置けば、資料だけ欲しい人が熱心に集まる
  • 年に数件の引き合いを成果に置けば、少なすぎて調整が働かない

件数が少ないときは、手前の行動(総額のページを読んだ、導入の流れを読んだ)を教え、本当の成果(引き合い、下見)は、人が月に一度の場で読みます。何を成果として教えるかは、人が決める仕事として残ります。 任せるときに渡すのは、誰を連れてきてほしいか(場面の言葉で)、何を成果と数えるか、その結果を月に一度戻すこと、です。

展示会とWebの成績は、この印で見る (本の図12-3)PNGSVG

やりがちな間違い

「CPA」とだけ書いて報告する。何を一件と数えたかで、桁が変わります。
安い一件あたりの費用を、良い成績と思う。資料だけ欲しい人を安く集めているのかもしれません。
数え方を変えて、下がった(上がった)と言う。物差しの変化です。

A社の場合

架空の会社の例

A社のWebの広告は年に60万円ほどでした。資料請求で割れば一件5,000円、人手が足りない工場の引き合いで割れば一件10万円、契約で割れば一台60万円。マーケティング課長の早川さんは、広告を直すための数字(広告から来た人がどのページを読んだか)と、社長と営業部長に出す数字(毎月の引き合い、半年ごとの下見)を分けました。広告会社には、資料請求ではなく、総額のページや導入の流れを読んだことを成果として教えます。

ほかの業種なら

A社 業務用の洗浄機

安く見えがちな一件資料請求
売上に近い一件下見
配信に教える手前の行動(例)総額のページ、導入の流れを読んだ

B社 建材

安く見えがちな一件カタログ・サンプル請求
売上に近い一件現場の確認
配信に教える手前の行動(例)施工手順のページを読んだ

C社 業務用のソフト

安く見えがちな一件資料ダウンロード、無料の試用の登録
売上に近い一件業務の聞き取り
配信に教える手前の行動(例)料金と移行のページを読んだ

D社 計測の機器

安く見えがちな一件カタログ請求
売上に近い一件試しの測定
配信に教える手前の行動(例)校正と保守のページを読んだ

A社のほかは、考えるための仮の例です。
選んだ業種は、ほかの記事でも最初に開きます(この端末の中だけに残します)。トップでも選べます。

理解を確かめる

問1「CPAが5,000円から60万円に悪化した」と報告されました。まず何を確かめますか。答えを見る

何を一件と数えたかが変わっていないか。資料請求から契約に分母を変えれば、同じ広告でも桁が変わります。

問2広告の配信に、資料請求を成果として教えると、何が起きやすいでしょうか。答えを見る

資料だけ欲しい人が集まりやすくなります。手前の行動(総額や導入の流れのページを読んだ)を教え、本当の成果は人が読みます。

やってみる

自分の会社で

いま報告している「一件あたりの費用」に、何を一件と数えたか、分母の範囲(全社か、狙う相手か)を書き添えてください。あわせて、同じ広告費を、資料請求・引き合い・見積もり・契約のそれぞれで割った表をつくります。

本では

本では 『選ばれる理由のつくり方』

この話が、人のあいだでどう進んだか。

第12章。同じ広告の同じ一年が、数え方で5,000円にも60万円にもなるところが出てきます。限界利益(一台の残り)は第3章です。

本について →

本の該当箇所:第12章 第7節、第3章 第4節

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