マーケティングが止まったらSPARKLE 本について

壁 05 読めないテーマ:試して読むテーマ:資料・Web・広告読む時間 約7分更新 2026年10月5日

資料請求は増えたのに、引き合いが増えないのはなぜか

三行で言うと
  1. 途中の数を売上につなげて読むには、まず「何が起きたら一件と数えるか」を決める。
  2. 主な指標は、数えやすさではなく、売上への近さで選ぶ。
  3. 指標を変えたら、いつ・何を・なぜ変えたかと、新旧の定義を一行残す。前とあとを同じ成果として並べない。

1数えやすい数を、報告してきた

名刺の枚数と、資料請求の件数。数えやすいので、報告してきた。けれども、その二つが売上とどうつながっているのかは、報告のどこにもない。よくある形です。

資料請求が増えたのに、引き合いが増えないなら、考えられることは三つです。

  • 対象が違う:資料だけ欲しい人、合わない相手が増えている
  • 資料が、次の一歩を示していない:読んだあとに何をすればよいかが書いていない
  • 資料請求という指標が、何を表しているのかが決まっていない

2何が起きたら、一件と数えるか

状態何が起きたら一件と数えるか読むときの注意
問い合わせ名刺、フォーム、資料請求数えやすい。対象外の人も入る
引き合い相手の事情を、本人から直接聞けた定義を決めた日から数える
下見・見積もり現場を見て、総額の表つきの見積書を出した相手が手間をかける行動。売上に近い
契約注文書—
導入使い始めた契約と時期がずれる
継続使用ひと月後、全員が使っている売ったあとの話

(業務用の洗浄機の例)

展示会とWebの成績は、この印で見る (本の図12-3)PNGSVG

定義は、一人で決めません。とくに「引き合い」のように、マーケティングから営業へ渡す境目の一件は、受け取る側の営業と合わせて決めます。片方だけで決めた定義は、渡した数と、受け取った側が「話になった」と思う数が食い違うもとになります。

割合を出すときは、分母にも気をつけます。同じ実績でも、分母を「入ってきた全部」にするか、「実際に連絡がついた分」にするかで、割合は倍にも半分にも見えます。報告では、割合の横に、何件のうちかを書きます。

3主な指標は、売上への近さで選ぶ

数えやすさでは選びません。相手が時間と手間をかける行動(たとえば、現場を見せる=下見)は、契約に近い指標です。言葉よりも、小さな行動で確かめる、のと同じ理屈です。

ただ、売上に近い指標ほど件数が少なく、月ごとには動きません。そのときは、手前の指標(引き合い)を毎月の補助に置き、近い指標は半年ごとに見ます。

広告そのものが受け持つのは、たいてい「自分の話か」という最初の問いだけです。広告から来た人が、総額のページや導入の流れを読んでから帰ったのか、最初の画面で帰ったのか。これは、広告を直すための数字で、引き合いの件数を広告だけの成績として読むと見誤ります。

4一件あたりの費用は、数え方で桁が変わる

同じ広告の、同じ一年でも、何を一件と数えるかで、一件あたりの費用は桁が変わります。

一件と数えるもの例(年60万円の広告)
資料請求(年120件)一件 5,000円
狙う相手からの引き合い(6件)一件 10万円
見積もり(3件)一件 20万円
契約(1台)一件 60万円

(数字は説明のための仮定)

一つの数字になったとたん、それだけで決めたくなります。何を一件と数えるかがぶれていないことを確かめ、ほかの材料と一緒に読みます。

広告の運用を外に任せているなら、何を成果として教えるかに気をつけます。資料請求を成果に置けば、資料だけ欲しい人が熱心に集まります。

5指標を変えたら、一行残す

引き合いの定義を決めると、件数は前の年より減って見えることがあります。悪くなったのではなく、物差しが変わったのです。 前後を同じ成果として並べません。

変えた日これまでの定義新しい定義理由これまでの定義での数字

この一行があれば、良く見える指標へのすりかえではなく、学びによる見直しだと、あとから分かります。

やりがちな間違い

数えやすい数を、成果として報告し続ける。売上とのつながりが、誰にも見えません。
資料請求を広告の成果に置く。資料だけ欲しい人が集まります。
定義を変えた前後を、同じグラフに並べる。物差しの変化が、成績の変化に見えます。

A社の場合

架空の会社の例

A社のマーケティング課長、早川さんは、毎月の報告に「資料請求 目標達成」と書いてきました。その十件がそのあとどうなったかは、書いたことがありませんでした。営業部長と話して、展示会とWebの成績は「下見まで進んだ件数」で見ることにし、件数が少ないので、毎月は引き合いを補助に置き、下見は半年ごとに見ることにしました。

ほかの業種なら

A社 業務用の洗浄機

数えやすい数名刺、資料請求
売上に近い行動(例)下見で現場を見せる
引き合いの定義の例洗い場の事情を本人から聞けた

B社 建材

数えやすい数カタログ請求、サンプル請求
売上に近い行動(例)図面を渡して拾い出しを頼む
引き合いの定義の例現場の条件を工務店から聞けた

C社 業務用のソフト

数えやすい数資料ダウンロード、無料の試用の登録
売上に近い行動(例)業務の聞き取りに時間をとる
引き合いの定義の例受注の流れを担当者から聞けた

D社 計測の機器

数えやすい数カタログ請求
売上に近い行動(例)手持ちの部品で試しの測定を頼む
引き合いの定義の例検査の条件を担当者から聞けた

A社のほかは、考えるための仮の例です。
選んだ業種は、ほかの記事でも最初に開きます(この端末の中だけに残します)。トップでも選べます。

理解を確かめる

問1資料請求は増えたのに、引き合いが増えません。考えられることを三つ挙げてください。答えを見る

対象が違う(合わない相手が増えた)。資料が次の一歩を示していない。資料請求という指標が何を表しているかが決まっていない。

問2引き合いの定義を決めたら、件数が前の年より減りました。悪くなったのでしょうか。答えを見る

分かりません。物差しが変わったからです。前後を同じ成果として並べず、変えた日と新旧の定義を一行残します。

やってみる

自分の会社の一件で

型09 接点の役割表

型9「接点の役割表」。接点ごとに「何が起きたら一件と数えるか」を書き、売上に近い行動を一つ選んで、主な指標にします。件数が少なければ、毎月見る補助の指標と、半年ごとに見る主な指標を分けて書きます。

  • 接点ごとに
  • 主な指標(売上への近さで選ぶ)
  • 指標を変えたら(一行)
この型で整理する →A社の記入例を見る登録は要りません。入力した内容は、送信しません。

本では

本では 『選ばれる理由のつくり方』

この話が、人のあいだでどう進んだか。

第12章。早川さんの月次の報告に、資料請求のその後は一度も書かれていませんでした。営業部長は、その一覧を見たことがありませんでした。

本について →

本の該当箇所:第12章 第7節、第17章 第7節、付録1

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