マーケティングが止まったらSPARKLE 本について

壁 05 読めないテーマ:試して読む読む時間 約8分更新 2026年10月5日

試したが、効いたのか分からない。何を分けて見るか

三行で言うと
  1. 事実と解釈を分ける。数が少ないときは、一件ずつ一行で並べ、道具ごとに分母を書く。
  2. 計画どおりにできなかったことを、解釈の前に、事実として書く。
  3. 報告は「ここまでは確かめられた。ここから先は、まだ分からない」と分けて出す。次の試しは、その境目から組み立てる。

1同じ表から、三つの読み

三か月の試しが終わった判断日。同じ表を見て、三人が別のことを言います。

  • 「資料は六件のうち五件で渡された。契約が一件。広げてよいと思います」
  • 「下見の一件は、行ってみたら設置できなかった」
  • 「六件だぞ。契約一件は、去年の同じ三か月と同じ数だ」

「広げてよい」は判断で、「去年と同じ数だ」は読みです。話がはじめから、事実と解釈で混ざっています。 まず全員で、事実だけを確かめます。

2一件ずつ並べ、分母を書く

数が少ないときは、一件を一行にします。

案件資料事前のメモ下見見積書時点の状態相手の言葉
1初回に渡した届いた済み総額の表つき契約「五年の表を、そのまま社長に見せた」
2初回に渡した届いた済み総額の表つき検討中「繁忙期が明けてから」
3初回に渡した条件の欄が一言だけ設置できず出していないこちらから断った—
4二回めに渡した下見のあと済み総額の表つき検討中「人が一人決まりそうで」
5二回めに渡した条件は空欄まだまだ保留「時期が合わない」(又聞き)
6渡していない届いていないまだまだ返事が途絶えた聞けていない

(業務用の洗浄機の例)

道具ごとに、分母が違います。 「八割で使われました」と聞いたら、「何件のうちの八割ですか」とたずねます。資料は六件のうち五件、見積書は見積もり三件のうち三件、事前のメモは下見に進んだ四件のうち、条件まで埋まっていたのは二件。

分母は、すりかわることもあります。理由を聞けた案件だけで「費用が理由の見送りはゼロ」と言えば、良く見えます。聞けなかった件数も、事実の欄に書きます。

3上の三つと、下の三つ

上の三つは誰が書いても同じ。下の三つは人で変わる (本の図17-1)PNGSVG

報告の紙を、二つに分けます。

  • 上の三つ(誰が書いても同じ):事実(数えたこと、見たこと)/計画どおりにできなかったこと/先に決めた条件との照らし合わせ
  • 下の三つ(人で変わる):分かったこと/まだ仮説のこと/次に誰が何を確かめるか

上を全員で確かめてから、下へ進みます。

4計画どおりにできなかったことを、先に書く

試しは、たいてい計画どおりには進みません。協力者が一件だけ資料を使わなかった。裏を取る予定の記録が取れなかった。本人に聞く予定が又聞きになった。同じ時期に、別のことも始めていた。

これを、解釈の前に、事実として書きます。 協力者が「一件、使っていません。いつもの説明のほうが早かったので」と自分から言ってくれたなら、それは試しで一番値打ちのある一言です。言い出さなければ、六件のうち五件を六件のうち六件として数えるところでした。しかも「いつもの説明のほうが早い」は、それ自体が次に直すべき障壁です。

5報告は、境目で分ける

結果を報告するときは、うまくいったように見える読み方を選びたくなります。「ここまでは確かめられた。ここから先は、まだ分からない」と分けて出しておけば、次の試しは、その境目から組み立てられます。

数字の整理を AI に頼んだときも、順番は同じです。何を決めるための分析か。元の記録は何件で、抜けはないか。どこまでが事実で、どこからが推測か。整った文章で返ってきても、元の記録が六件なら、言えることは六件ぶんです。

やりがちな間違い

割合だけを報告する。分母がないと、六件の「八割」も、六百件の「八割」も同じに見えます。
計画どおりにできなかったことを伏せる。次の試しで、同じ穴に落ちます。
聞けた案件だけで、理由を語る。聞けなかった件数も事実です。

A社の場合

架空の会社の例

A社の判断日、マーケティング課長の早川さんは、六件を一件一行の表にして会議に出しました。営業部長、技術者、早川さんの読みは三つに分かれましたが、事実の欄を全員で確かめてから、先に決めた条件と照らし合わせました。総額の表つきの見積書は条件を満たし、資料は「修正してから広げる」に当たり、事前のメモは条件を満たしませんでした。

ほかの業種なら

A社 業務用の洗浄機

試した道具(例)資料、総額の表つきの見積書、下見の前のメモ
一件一行で並べる単位引き合い一件
事実に書く「できなかったこと」の例資料を使わなかった一件

B社 建材

試した道具(例)施工の手順書、手間と工期の試算
一件一行で並べる単位現場一件
事実に書く「できなかったこと」の例手順書が職人に渡らなかった現場

C社 業務用のソフト

試した道具(例)移行の手順書、月々の費用の試算
一件一行で並べる単位商談一件
事実に書く「できなかったこと」の例試算を出す前に止まった商談

D社 計測の機器

試した道具(例)校正まで入れた見積書、試しの測定の手順
一件一行で並べる単位引き合い一件
事実に書く「できなかったこと」の例試しの測定ができなかった一件

A社のほかは、考えるための仮の例です。
選んだ業種は、ほかの記事でも最初に開きます(この端末の中だけに残します)。トップでも選べます。

理解を確かめる

問1「資料は八割で使われました」と報告されました。最初に何を聞きますか。答えを見る

「何件のうちの八割ですか」。道具ごとに分母が違い、少ない件数では一件で割合が大きく動きます。

問2協力者が「一件、資料を使わなかった」と申し出ました。どう扱いますか。答えを見る

解釈の前に、事実として書きます。その理由(いつもの説明のほうが早い、など)は、次に直す障壁の材料です。

やってみる

自分の会社の一件で

型11 結果の報告

型11「結果の報告」。試した案件を一件一行で並べ、上の三つ(事実/計画どおりにできなかったこと/先に決めた条件との照らし合わせ)を先に埋めます。下の三つ(分かったこと/まだ仮説のこと/次に誰が何を確かめるか)は、上を確かめてから書きます。

  • 一件ずつ(一件を一行)
  • 上1 事実(分母つき)
  • 上2 計画どおりにできなかったこと
  • 上3 先に決めた条件との照らし合わせ
  • 別の説明
  • 下1 分かったこと
  • 下2 まだ仮説のこと
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本では

本では 『選ばれる理由のつくり方』

この話が、人のあいだでどう進んだか。

第17章。判断日の会議で、営業部長は表を見て言いました。

「6件だぞ。三か月で。契約1件は、去年の同じ三か月と同じ数だ」

本について →

本の該当箇所:第17章 第1・2・3節

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