マーケティングが止まったらSPARKLE 本について

壁 02 決まらないテーマ:優先順位と計画読む時間 約8分更新 2026年10月5日

営業とマーケで順番が決まらないとき、何を分けて書くか

三行で言うと
  1. 目標・事実・原因の仮説・施策・学ぶことを、分けて書く。意見が割れているのは、たいてい原因の仮説のところ。
  2. 仮説は「正しければ、何が見られるはずか」まで書く。そうすると、言い合いが確かめる話に変わる。
  3. 目標は、誰の数字か・何で数えるか・途中で何を見るか、の三つで営業と合わせる。

1どちらにも筋が通っているから、決まらない

やることが二十を超えた会議。営業は「まず問い合わせを増やすべきだ。話が来なければ何も始まらない」。マーケティングは「入口を広げる前に、見送りを減らすほうが先だ」。

どちらの言い分にも筋が通っています。だから、決まりません。足りないのは、順番を決めるための共通の判断基準です。

2五つに分けて書く

議論を始める前に、次の五つを分けて書きます。

  • 目標 何を、いつまでに、どれだけ
  • 事実 今、実際に起きていること。数えたこと、見たこと、聞いたこと
  • 原因の仮説 なぜそうなっているのかの、まだ確かめていない説明
  • 施策 何をするのか
  • 学ぶこと やってみると何が分かるのか

「問い合わせを増やす」は、目標でしょうか、施策でしょうか。会社が本当に得たいのは、相手に商品が入り、使い続けてもらうことです。問い合わせは、その途中の通り道です。

3割れているのは、施策の手前

増やす案(問い合わせを増やす)減らす案(導入の障壁を減らす)
原因の仮説知られていないから、引き合いが少ない引き合いはあるのに、導入の不安と費用の見通せなさで止まっている
仮説の根拠営業の実感見送った数社の声、販売パートナーへの聞き取り
正しければ、見られるはずのこと引き合いのなかった会社は、名前を知らない止まる人は、見積もりのあとに集まっている
施策広告、展示会の追加総額の表つきの見積書、下見の同行、設置の流れ
学ぶことどこから引き合いが来るのか見送りの本当の理由。約束は通じるのか
同じ12台に、二つの道がある (本の図15-1)PNGSVG

表にすると、二人の違いは、施策ではなく、その手前の原因の仮説にあったことが分かります。「知られていない」のか、「止まっている」のか。

4「正しければ、何が見られるはずか」

仮説を確かめられる形に書くと、事実を当てられます。減らす案が正しければ、止まる人は見積もりのあとに集まっているはず。ところが数えてみると、見積もりの前と後で、同じくらい止まっていた。減らす案の仮説だけでは、説明できない半分が残ります。

仮説は、たいてい、どちらかが全部正しいという形にはなりません。 だから、言い負かす相手ではなく、一緒に確かめる相手になります。

5目標そのものを、営業と合わせる

目標の台数を言われても、営業が受注の金額で見られていれば、話はかみ合いません。「中小の会社で四台増やすより、大きい会社で一台のほうが、成績は上がる」。

目標は、三つがそろって、初めて営業と同じものになります。

合わせること合わせていないと起きること
誰の数字か(どのセグメントへの販売か)別の大きな一件で、目標に届いたように見える
何で数えるか(台数か、金額か。両方か)値引きで台数だけが増える
途中で何を見るか(引き合い、見積もり、契約の件数を毎月)引き合いの数だけが成果として報告される

台数だけを言われた営業は、台数の出やすいところへ動きます。それは営業の責任ではありません。

評価の決め方を変える話は、営業の責任者の担当範囲の中でも一番触られたくないところです。材料(事実・選択肢・影響・判断してほしい点)をそろえて渡し、責任者が自分で出す形にすると、通りやすくなります。

やりがちな間違い

施策どうしで言い合う。割れているのは、たいてい原因の仮説です。そこを分けて書きます。
目標を台数だけで伝える。誰の数字か、何で数えるか、途中で何を見るかがないと、営業は別の道で数字をつくります。
自分の仮説の根拠だけを並べる。相手の仮説にも、確かめられる形を与えます。

A社の場合

架空の会社の例

A社の会議で、営業部長は「引き合いが細ったら、どうする」と聞きました。マーケティング課長の早川さんは、「前の年と、毎月並べます。細り始めたら、その月に言います」と答えました。この問いは、目標の三つめ(途中で何を見るか)に入りました。営業の評価の見方を変える話は、営業部長が「これは、俺から出す。金額も見続ける、という条件つきでな」と引き取りました。

ほかの業種なら

A社 業務用の洗浄機

増やす案の仮説知られていない
減らす案の仮説導入の不安と費用の見通せなさで止まる
目標の「誰の数字か」人手が足りない工場への販売台数

B社 建材

増やす案の仮説工務店に名前が挙がっていない
減らす案の仮説施工の手間の不安で採用されない
目標の「誰の数字か」狙った工務店での採用件数

C社 業務用のソフト

増やす案の仮説検索で見つけてもらえていない
減らす案の仮説移行の手間と二年めの費用で止まる
目標の「誰の数字か」狙った卸売の会社との契約数

D社 計測の機器

増やす案の仮説商社の担当者が名前を挙げていない
減らす案の仮説校正の費用と手順書の書き直しで止まる
目標の「誰の数字か」狙った部品メーカーへの販売台数

A社のほかは、考えるための仮の例です。
選んだ業種は、ほかの記事でも最初に開きます(この端末の中だけに残します)。トップでも選べます。

理解を確かめる

問1営業とマーケティングで意見が割れたとき、最初に分けて書くとよいのは、どこでしょうか。答えを見る

原因の仮説。施策の手前で、なぜそうなっているのかの説明が違っていることが多くあります。仮説ごとに「正しければ、何が見られるはずか」を書きます。

問2目標を営業と同じものにするために、合わせる三つを挙げてください。答えを見る

誰の数字か、何で数えるか、途中で何を見るか。

やってみる

自分の会社の一件で

型12 一つの計画

型12「一つの計画」。いま割れている話を一つ選び、目標・事実・原因の仮説・施策・学ぶことの五つに分けて書きます。仮説には「正しければ、何が見られるはずか」を一行ずつ添えます。

  • 戦略
  • 目標
  • 課題と仮説
  • 施策と「なぜなら」
  • お金と人
  • 見るもの
  • やらないこと(いつまで)
  • 決める前に見せた記録
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本では

本では 『選ばれる理由のつくり方』

この話が、人のあいだでどう進んだか。

第15章。壁に貼った二十を超える一覧を前に、社長が聞きました。

「で、来期は、何からやるんだ」

本について →

本の該当箇所:第15章 第1・2・3節

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