マーケティングが止まったらSPARKLE 本について

壁 02 決まらないテーマ:価格テーマ:優先順位と計画読む時間 約6分更新 2026年10月5日

価格を決められない担当者は、次の会議に何を出すか

三行で言うと
  1. 出すのは四つ。事実、選択肢、影響、判断してほしい点。
  2. 自分では決めない。ただし、会議が「値引きするか、しないか」で終わらない材料をそろえる。
  3. 選択肢は二つ以上、影響は同じ物差しで書く。通らなかったときの代わりの案も、用意しておく。

1決められないから、そろえる

価格を決めるのは、たいてい社長や営業の責任者です。マーケティング担当者が決められるのは、顧客の総負担の見せ方と、価格を議論するための材料までです(「値引きをしないと決まらないとき、『高い』は何と比べた言葉か」)。

それでも、仕事は上に上げたところで終わりません。判断の材料をそろえ、試す範囲を小さくし、別の案を用意するところまでが受け持ちです。

2四つの中身

欄書くこと
事実数えたこと、見たこと、聞いたこと。一件あたりの費用、件数、記録で確かめたこと
選択肢二つ以上。「何もしない」「今のまま」も入れてよい
影響選択肢ごとに、同じ物差しで。一台の残り、顧客の見え方、人の時間
判断してほしい点決める人に、何を決めてほしいのかを一文で

結論ではなく、判断の材料を出します。 結論だけを持っていくと、会議は賛成か反対かで終わります。

3例:導入の手厚い支えを、価格にどう入れるか

業務用の洗浄機のメーカーで、下見・休業日の設置・次の朝の説明に、一件あたり12万円かかると分かったとします(数字は仮定)。

欄中身
事実一件あたり12万円(出張の実費と休日の手当、資料)。技術者の給料は固定費なので入れない。これは約束の中心にある
選択肢① ただで付ける(顧客は300万円、一台の残りは78万円) ② 価格に含める(312万円、残りは90万円) ③ 別料金で選んでもらう
影響① 残りが一割以上減る ② 見積書の額は上がるが、総額の表と見せれば五年で3%ほど ③ 選ばなかった顧客には、約束を果たせない
判断してほしい点約束の中心にあるものを、選択肢にするかどうか

4通らなかったときの代わりの案

決める人が首を縦に振らないこともあります。そのときのために、代わりの案を、先に用意しておきます。 たとえば、全社で変えるかわりに一部の案件から試す。成績の見方は変えず、月に一度の場で数字を並べるだけにする。小さく、戻しやすい案です。

誰が出すかも考えます。営業の評価の決め方のように、相手の担当範囲の中でも触られたくないところに関わるなら、その責任者が自分で出す形のほうが通りやすくなります。

5決まったら、販売パートナーに渡す

決まったことは、販売パートナーにも一枚で渡します。たとえば値引きの決まり。販売パートナーの担当者が一番先に聞くのは、「どこまで引けますか」だからです。

早川さんが手を入れられるのは、三段めの見せ方 (本の図9-1)PNGSVG

やりがちな間違い

結論だけを持っていく。判断の材料がないと、決める人は好みで決めるしかありません。
選択肢が一つしかない。一つだけなら、それは選択肢ではなくお願いです。
影響を、自分の推す案に都合よく書く。物差しをそろえないと、一枚全体が信用されません。

A社の場合

架空の会社の例

A社の社長は、上の一枚を見て、②を選びました。営業部長は見積書の額が上がることを気にしましたが、マーケティング課長の早川さんは、代理店の担当者を通して総額の表を見た工場長が「これなら社長に出せる」と言ったことを伝えました。早川さんが決めたことは、一つもありません。それでも、この一枚がなければ、会議は「値引きするか、しないか」で終わっていました。

ほかの業種なら

A社 業務用の洗浄機

判断してほしい点の例導入の手厚い支えを、価格に含めるか
決める人社長、営業部長
事実として数えるもの一件あたりの実費、下見の件数と契約の数

B社 建材

判断してほしい点の例施工の説明の同行を、標準にするか別料金にするか
決める人社長、営業の責任者
事実として数えるもの同行一回あたりの時間と費用、採用率

C社 業務用のソフト

判断してほしい点の例データの移行を、初期費用に含めるか
決める人社長、事業の責任者
事実として数えるもの移行一件あたりの作業時間

D社 計測の機器

判断してほしい点の例初回の校正を、価格に含めるか
決める人社長、営業の責任者
事実として数えるもの校正一回あたりの実費、技術者の日数

A社のほかは、考えるための仮の例です。
選んだ業種は、ほかの記事でも最初に開きます(この端末の中だけに残します)。トップでも選べます。

理解を確かめる

問1次の会議に出す一枚に入れる四つを、挙げてください。答えを見る

事実、選択肢、影響、判断してほしい点。

問2選択肢を一つだけ書いて出すと、何が起きやすいでしょうか。答えを見る

賛成か反対かの話になり、比べて決める材料になりません。「何もしない」も含めて、二つ以上を同じ物差しで並べます。

やってみる

自分の会社の一件で

型07 総額の見積もり

型7「総額の見積もり」で顧客から見た総額を整えたうえで、会議に出す一枚を、事実・選択肢・影響・判断してほしい点の四つの欄で書きます。最後に、通らなかったときの代わりの案を一行書き添えます。

  • 総額(万円)
  • 合計に入れていないもの(先に書く)
  • 前提
  • 聞かれそうなこと三つと答え
この型で整理する →A社の記入例を見る登録は要りません。入力した内容は、送信しません。

本では

本では 『選ばれる理由のつくり方』

この話が、人のあいだでどう進んだか。

第9章。一枚を見た社長は、短く決めました。

「込みにしろ。選ばせるな。選ばなかった工場には、約束にならん」

本について →

本の該当箇所:第9章 第2・9節、第1章 第7節、第15章 第3節

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