マーケティングが止まったらSPARKLE 本について

壁 04 見えないテーマ:資料・Web・広告テーマ:代理店・販売店読む時間 約7分更新 2026年10月5日

展示会の名刺は集まるのに、商談にならないのはなぜか

三行で言うと
  1. 止まる場所は三つ。接点の中で答えが足りないか、受け皿がないか、接点と接点のあいだで切れているか。名刺は、たいてい三つめ。
  2. 次の一歩が重すぎないかを見る。下見や見積もりの前に、軽い一歩を置く。
  3. 受け手を決める。その会社に出入りしている販売パートナーがいるかで決まる。

1名刺は百二十枚。その後を、誰も知らない

展示会で名刺が百二十枚集まり、あとで連絡がついたのが十八件、くわしく相談できたのが八件。何件に電話したのかを営業に聞くと、「分からん。半分くらいは、代理店の得意先だ」。Webの資料請求も、毎月の報告には件数だけを書いてきて、その後どうなったかは書いたことがない。

入口の数は足りていました。止まっていたのは、その先です。

止まる場所は、接点の中で答えが足りないか、受け皿になる接点がないか、接点と接点のあいだで切れているかの、どれかです。 名刺が商談にならないときは、たいてい三つめです。

2次の一歩は、重すぎないか

ブースで足を止めた人への次の一歩が「では、下見に伺います」、Webのボタンが「見積もりのご依頼」だけだとします。顧客の側から見ると、どちらも重い一歩です。決める人に話す前に、メーカーの技術者に来られると困る。断りにくい場に見えます。

会社の側から見ても、下見は技術者の半日です。重い一歩しかないと、見込みの薄い会社にも下見を入れたくなり、技術者の日数が先に尽きます。

あいだに、軽い一歩を置きます。 業務用の洗浄機なら、その工場の時給と洗い場の時間を入れた「五年間の総額の試算」。相手が事情を一つ話してくれれば、技術者の日数を使わずにつくれます。そして、試算を返すための電話が、事情を直接聞ける最初の機会になります。

次の一歩に進める目安も、先に決めます。 たとえば、洗い場の人数・止められない日・入れたい時期が聞けていて、試算を一度見ている会社に、下見を入れる。そろっていなければ、試算と資料を渡して、待ちます。

3受け手は、出入りの販売パートナーで決まる

名刺の中に、代理店の担当者が長く出入りしている会社が混ざっていたとします。メーカーの営業が直接電話をかけると、担当者は顧客から「メーカーさんから電話がありましたよ」と聞かされます。担当者にとっては、得意先に頭ごしに入られた出来事です。かといって、名刺を全部代理店に回せば、結果は戻ってきません。

相談が入ったら、まず「その会社に、出入りの販売パートナーがいるか」を確かめます。受け手は、それで決まります。

出入りの代理店があるかで、受け手が決まる (本の図12-2)PNGSVG
  • いる:先に担当者に連絡し、自社の営業と二人で受ける。最初の連絡をどちらがするかも、その電話で決める。頭ごしになるかどうかは、順番ではなく、先に知らせてあるかで決まる
  • いない:自社の営業が受ける
  • 分からない:営業が最初の電話で聞く。ブースでは名刺をもらうときに、Webのフォームには「いつも頼んでいる業者(分かれば)」の欄を一つ置く

Webや電話で入った相談には、その日のうちに、受け取った旨だけを返します。誰が電話するかは、そのあとで決めます。

4名刺の裏に、聞かれたことを書く

名刺の裏に「関心あり」と書いても、次の電話で話すことがありません。ブースで聞かれたことを書きます。「何日止まるのか」と聞かれたなら、それが次の一歩の中身になります。

やりがちな間違い

販売パートナーの得意先に、頭ごしに電話する。声を戻してもらうはずの相手との関係が、そこで傷みます。
名刺を全部、販売パートナーに回して終わる。回したあとどうなったかが、戻ってきません。渡すものと、戻してもらうもの(状態を一行)を先に決めます。
名刺の枚数や資料請求の件数を、成果として報告する。その先の件数と並べて初めて、どこで止まっているかが分かります。

A社の場合

架空の会社の例

A社のマーケティング課長、早川さんは、Webの問い合わせの入口を「見積もりのご依頼」一つから、「洗い場の相談」「五年間の総額の試算」「下見の依頼」の三つに分けました。重さを、顧客が選べるようにしたのです。まだ決まっていないこともあります。直接入った相談に代理店の担当者が同行して決まったとき、手数料をどうするか。それは営業部長と社長が決めることで、早川さんが持っていくのは、件数と、もめた件の事実です。

ほかの業種なら

A社 業務用の洗浄機

重い一歩下見、見積もりの依頼
あいだに置く軽い一歩(例)その工場の数字を入れた五年間の総額の試算
受け手を決める問い出入りの代理店はあるか

B社 建材

重い一歩現場の確認、見積もりの依頼
あいだに置く軽い一歩(例)図面からの手間と工期の拾い出し
受け手を決める問いいつも頼んでいる建材の販売店はどこか

C社 業務用のソフト

重い一歩業務の聞き取り、見積もりの依頼
あいだに置く軽い一歩(例)今の作業時間を入れた月々の費用の試算
受け手を決める問い付き合いのある IT の販売代理店はあるか

D社 計測の機器

重い一歩試しの測定の持ちこみ、見積もりの依頼
あいだに置く軽い一歩(例)部品の写真と図面からの、測れるかどうかの返事
受け手を決める問い取引のある機器の商社はどこか

A社のほかは、考えるための仮の例です。
選んだ業種は、ほかの記事でも最初に開きます(この端末の中だけに残します)。トップでも選べます。

理解を確かめる

問1名刺は百二十枚、くわしく相談できたのは八件。最初に確かめるのは、どれでしょうか。A 展示会の出し方 B 名刺をもらったあと、誰が・何件・どう連絡したか答えを見る

B。入口の数は足りています。止まっているのは接点と接点のあいだかもしれません。誰が受け、どこまで連絡したかを確かめます。

問2代理店の得意先から、Webで問い合わせが来ました。どうしますか。答えを見る

その日のうちに受け取った旨だけを返し、先に代理店の担当者に連絡して、自社の営業と二人で受けます。最初の連絡をどちらがするかも、その電話で決めます。

やってみる

自分の会社の一件で

型09 接点の役割表

型9「接点の役割表」。展示会、Web、営業、販売パートナーの訪問を行に並べ、それぞれ「誰の、どの問いに答えるか」「次の一歩」「受け手」「何が起きたら一件と数えるか」を書きます。「次の一歩」が重いものしかない接点に、印をつけます。

  • 接点ごとに
  • 主な指標(売上への近さで選ぶ)
  • 指標を変えたら(一行)
この型で整理する →A社の記入例を見る登録は要りません。入力した内容は、送信しません。

本では

本では 『選ばれる理由のつくり方』

この話が、人のあいだでどう進んだか。

第12章。百二十枚の名刺の一覧を持っていったマーケティング課長に、営業部長はしばらく考えてから答えました。

「……分からん。半分くらいは、代理店の得意先だ」

本について →

本の該当箇所:第12章 第1・4・5節、第5章 第3・5節

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