1報告を書いてもらう形は、戻らないのがふつう
代理店に「確認の報告」を書いてもらう形は、よく断られます。書く側には、手間と、苦情の窓口にされる心配しかないからです。うちの名前で「問題なし」と書いて、あとで何かあったら、うちに来る。戻らないのが、ふつうです。
声が止まっている場所は代理店でも、聞く決まりをつくっていないのは、メーカーのほうです(「『代理店を外せば、その分が浮く』は本当か」)。
2聞く決まりを、四つで組む
- 戻してもらうものを、三つに絞る。 たとえば、見送りの理由(顧客の言葉のまま)。聞かれて答えに困った質問。導入ひと月後の三つ(使っているか、誰が使っているか、消耗品は足りているか)
- 書いてもらわない。 月に一度、その代理店の担当の営業が電話をかけ、マーケティング担当者が横で聞いて書く。営業から聞き直す形にはしない(人を通るたびに短くなる)。書くときは、代理店の担当者の読みと、顧客の言葉を分ける
- 返す。 戻してもらった声で何を直したのかを、次に会うときに見せる。資料の一行、見積書の欄。「消耗品の頼み先が分からないと言われた」と聞いたら、次に会うときには、連絡先の紙が変わっている
- 数えられないものを、一社で数える。 「この半年、何社にこの商品の話を出しましたか」「最初にどこの名前を出しましたか」を、担当者と一緒に数える。一社の結果を、全体に広げないことが条件
声を戻してもらう決まりは、相手に書かせず、こちらが聞いて書き、直したことを返す、で組みます。
3聞いた話の、扱いの約束
聞く前に、しないことも決めて伝えます。聞いた話を営業の材料に使わない。その件で、メーカーから顧客へ直接連絡しない。社名は限られた人のあいだだけ。メモは、本人の言葉のまま担当者に返す。
代理店の顧客の情報を記録として持つことについては、契約と社内の決まりを確かめます。
4契約の形で、優先が変わる
- 取り次ぐ形:売れた件は見える。見えないのは「話を出した件数」と「出さなかった理由」。これを先に戻してもらう
- 仕入れて売る形:取り決めがなければ、どこにいくつ届いたかも見えない。まず「どこに届いたか」から
消耗品の届け方を代理店に任せると、注文の記録がメーカーから見えにくくなることもあります。見返りを増やすことと、声の帰り道が細くなることは、並べて決めます。
やりがちな間違い
A社の場合
架空の会社の例
A社は、代理店の担当者に報告を書いてもらう案を断られたあと、組み直しました。ひと月後は、担当者が訪問のついでに三つ聞き、A社の担当の営業が電話で聞き、マーケティング課長の早川さんが横で書く。故障の電話は、A社の番号へ直接。そして、聞いた三つで直したことを、次に会うときに担当者に返す。返した材料は、担当者が次の工場で話す材料にもなります。
ほかの業種なら
A社 業務用の洗浄機
| 戻してもらう三つ(例) | 見送りの理由/答えに困った質問/ひと月後の三つ |
|---|---|
| 返すもの(例) | 直した見積書の欄、連絡先の紙 |
B社 建材
| 戻してもらう三つ(例) | 採用されなかった理由/施工で困ったこと/次の現場でも使うか |
|---|---|
| 返すもの(例) | 施工の手順書の直し |
C社 業務用のソフト
| 戻してもらう三つ(例) | 見送りの理由/導入で困ったこと/毎日使っている人数 |
|---|---|
| 返すもの(例) | よくある質問の追加、設定の手順の直し |
D社 計測の機器
| 戻してもらう三つ(例) | 見送りの理由/測定で困ったこと/校正を頼まれたか |
|---|---|
| 返すもの(例) | 校正の案内、手順書の直し |
A社のほかは、考えるための仮の例です。
選んだ業種は、ほかの記事でも最初に開きます(この端末の中だけに残します)。トップでも選べます。
理解を確かめる
問1代理店に「確認の報告」を書いてもらう形が戻りにくいのは、なぜでしょうか。答えを見る
書く側に、手間と、苦情の窓口にされる心配しか残らないからです。
問2声を戻してもらう決まりの、三つの要点を挙げてください。答えを見る
相手に書かせない。こちらが聞いて書く。直したことを返す。(戻してもらうものは三つに絞る)
やってみる
自分の会社の一件で
型08 代理店への頼みごと
型8「代理店への頼みごと」。戻してもらいたい声を三つに絞り、誰が、いつ、どうやって聞き、誰が書くかを決めます。最後に、「聞いた声で直したことを、いつ、何で返すか」を一行書きます。
- 相手
- 目的
- 頼みごと(三つまで)
- こちらが受け持つこと
- 返すもの
- 次の一件(名前と期日)
- 手数料の内か、外か
本では
本では 『選ばれる理由のつくり方』
この話が、人のあいだでどう進んだか。
第10章。書く報告を断られたあと、A社が組み直した「聞く決まり」は、第14章で、入れた六十台が使われているかを読むところにつながります。
本について →本の該当箇所:第10章 第10節、第5章 第7節