1一台が売れるまでの道のり
引き合い → 下見 → 見積もり → 契約 → 設置 → ひと月後。売れるまでの道を一本にして、件数を置いてみます。
どこで一番減っているかは、営業の記録や見積書の控えから、だいたい分かります。
2手元の記録から、見当をつける
| 手元の記録で見えること | 考えられること | 自分の担当範囲で、先に見られるもの | 確かめる相手 |
|---|---|---|---|
| 問い合わせそのものが少ない | 知られていない。需要が弱い。相手が違う。いまは買う時期ではない相手が多い | その種類の商品が検索されているか。展示会で足を止めた人の数と、聞かれた質問 | 販売パートナーの担当者(名前を挙げているか) |
| 問い合わせはあるが、見積もりに進まない | 関係や効果が伝わっていない。引き継ぎで止まっている | 問い合わせの文面。どの広告、どのページから来たか | 営業(どの時点で連絡が切れたか) |
| 見積もりのあと、返事がない | 対価・入手・信頼のどれか。決める人にとっての関係。予算や決算の時期。変えたいが、失敗が怖くて決めきれない | 毎年の費用、導入の段取り、故障時の対応を説明したページが、読まれているか。そもそも、あるか | 営業と販売パートナーの担当者と、一件ずつ |
| 納めたあと、連絡がない | 使われていないおそれ | 使い方や消耗品のページへの来訪。窓口に来た質問 | 技術者、販売パートナーの担当者 |
3どこから見るか
二か所で同じくらい減っているなら、相手が一度は買う気になった段階から見ます。見積もりまで進んだ相手は、自社も下見と見積もりの手間をかけています。そこで消えた理由が分かれば、手前の段階を確かめる手がかりにもなります。
同時に、自分たちがどちらの状態かも見分けます。
- 検討している顧客が、どこかで止まっているのか
- 六つの問いの答えはそろっているのに、知られていないのか
前者なら、止まっている場所を直すのが先です。障壁を残したまま広告を強くすると、呼びこんだ人を、同じ場所でもう一度止めることになります。後者なら、広告の出番です。広告を止めるのではなく、予算の配分と、広告で言う中身を変えます。
問い合わせが少ないときは、「知られていない」のほかに、「いまは買う時期ではない会社が多い」こともあります。BtoB の買い物は何年かに一度です。問い合わせの数だけで、広告の良し悪しを決めないことです。
見積もりのあとで止まるときは、変えたいのに、失敗が怖くて決めきれない、ということもあります。このときに効くのは、決めることの危険を小さくする手です。試しや、段階を分けた導入、やめられる形。六つの問いでは「信頼」への答えにあたり、本では導入後の支え方(第9章)や、小さく試す話(第16章)につながります。
4六つの問いで点検すると、「?」が並ぶ
止まった一件を、六つの問いで点検してみます。たいてい、ほとんどの欄が「?」になります。確かめたわけではないからです。
「?」と書けることが、この点検の最初の値打ちです。 何を確かめにいけばよいのかが、欄の形で見えるからです。
5日程が動かせないときは
広告を出す日程が先に決まっているなら、予定どおりに出す広告の中に、確かめる仕掛けを一つ入れます。問い合わせフォームに「一番気になっていること」を選ぶ欄を一つ足す。それだけでも、次の整理の材料になります。
やりがちな間違い
A社の場合
架空の会社の例
A社では、工場の事情まで聞けた相談が100件、見積もりが60件、契約が20台。見積もりの前で40件、見積もりのあとで40件が消えていました。早川さんが先に見たのは、見積もりのあとです。一台300万円として、見積額で1億2,000万円ぶんが、そこで止まっていたことになります(数字は説明のための仮定です)。
ほかの業種なら
A社 業務用の洗浄機
| 一度は買う気になった段階 | 見積もりのあと |
|---|---|
| 先に見られるもの | 毎年の費用・設置・故障時の対応のページ |
B社 建材
| 一度は買う気になった段階 | 現場の確認と見積もりのあと |
|---|---|
| 先に見られるもの | 施工の手順と工期のページ |
C社 業務用のソフト
| 一度は買う気になった段階 | 業務の聞き取りと見積もりのあと |
|---|---|
| 先に見られるもの | 移行の手順と、二年めからの料金のページ |
D社 計測の機器
| 一度は買う気になった段階 | 試しの測定と見積もりのあと |
|---|---|
| 先に見られるもの | 校正と保守の費用のページ |
A社のほかは、考えるための仮の例です。
選んだ業種は、ほかの記事でも最初に開きます(この端末の中だけに残します)。トップでも選べます。
理解を確かめる
問1問い合わせから見積もりまでで40件、見積もりのあとで40件が消えています。先に見るとよいのは、どちらでしょうか。答えを見る
見積もりのあと。相手は一度買う気になり、自社も手間をかけています。そこで消えた理由は、手前を確かめる手がかりにもなります。
問2六つの問いで点検したら、ほとんどが「?」でした。どうすればよいでしょうか。答えを見る
そのままでかまいません。「?」の欄が、次に確かめにいく先です。推測で埋めずに、誰に何を聞けば分かるかを書き添えます。
やってみる
自分の会社の一件で
型01 六つの問いの点検
型1「六つの問いの点検」。上の表で一番当てはまる行を選び、その段階で止まった一件を、六つの問いで点検します。「?」の欄の横に、確かめる相手の名前を書きます。
- 六つの問い × 三つの立場
- ?の欄を、誰に確かめるか
- 自分の担当範囲で、先に見られるもの
本では
本では 『選ばれる理由のつくり方』
この話が、人のあいだでどう進んだか。
第1章。A社で「見積もりのあと」を先に見ると決めたあと、早川さんは止まった案件の振り返りを営業部長に頼みにいきます。
「三件なら、いいよ。ただ、代理店経由のやつは、断られた理由までは俺も聞いてないぞ」
本について →本の該当箇所:第1章 第6節(表1-3)、第1章 第4節(図1-5)